無限の住人
何やら掲載雑誌アフタヌーンの審査基準を根本から考えさせられた程(変わったかどうかは定かではないが)の壮絶な伝説を誇る漫画が原作のアニメ。
友人から聞いた話では、面白いしエロいらしい。
そう聞けば止められないのが日本人のリビドーである。
早速私は、べおだったかだぃりぃだったかそんな所から根こそぎDLして視聴したのである。
エロの為に。
そして、んっだよこんちくしょうである。
約6時間ほどかけて全13話を余すところなく見た。
全っっ然エロくない。皆無である。マジか。
恐ろしくエロくない。前代未聞である。
キャラに騙されたとかそんな矮小なレヴェルではない。
エロ自体が無いって何それ。
強いていえば、ヒロインのオカンが妙なレイプされるトコと、三節根みてーな武器使う女が「ちょんの間ニハチでどぉ?」と主人公を誘って乳弄られるトコ(ちょいエロ)あるけど。
そんだけ。
乳首の一つでもありゃ、データベースさんに土産でも出来たんに。
っつーか何なの、あのOP。
あの色っぽくファックかましてる風情の姉ちゃん誰よ?
ギリギリ乳首も見え隠れしてるあの姉ちゃん誰よ?
アレにwktkで騙されたっちゃあ騙されてるけどさ。うん。
そんなシーン無ぇじゃん。
ずるい。ずる過ぎる。
けっこうハマる程おもろかっただけにこんちくしょうである。
何であんな中途半端に終わんねん。
懐かしいベルセルクもそーだったけど、これでまた本棚が圧迫されるやんか。最悪や。
以下、アニメには無かった百琳レイプシーン(原作にも無ぇけど
=1=
薄暗い部屋に女が一人。国の外の人間の様に、髪が金色に透けて輝き、体型もまた、豊満さを隠せない衣服の盛り上がりと相まって引き締まりすらりと伸びたしなやかな肢体が日本人の物とは別格であるように見える。
が、肌の白さは日本人特有の美しさであり、身の丈もせいぜいがおおよその日本男児とそう変わらない。
それを取り囲む様に男が数人。
睨む者、笑う者、蔑むように見下ろす者、興奮に舌なめずりする者まで。
一様に女を見ていた。
「いい女じゃねぇかよ」
「ひゃは!拷問さまさま♪」
「尋問さまさまだろよ♪」
「ぎゃははは…!!」
男たちは卑下たダンスを踊ると、その中の3人ほどが服を脱ぎ始めた。
尋問とは程遠い、おぞましい暴行がこれからすぐに行われる事は明白であった。
しかし女と言えば眉ひとつ動かさず、いかにも涼しげに一点を見つめている。
見つめる先に男がいた。同じ部屋の中ではなく、遥か彼方の向こうでは、あるが。
信じているのである。きっと助けが来ると。女は気丈であった。
そしてやや口を開くと、深く呼吸し、厳しく口を閉じた。
緊張の為ではない。
これより己に施されるであろう、トラウマにも成りかねない強欲の拷問に耐え抜く為である。
「怖くねぇって顔だな」
リーダーらしき男が初めて声を発した。
「先に言っとくが、別にお前が吐こうが吐くまいがどっちでも構わねぇ」
女の耳元に近づきドスの効いた声色でささやく。
「こんなモン余興よ。お前は餌に過ぎねぇからな。ま、飽きるまで遊ぶさ」
女は確かに背筋に冷たいものを感じた。
間違いなく、自力ではどうにもならない。ネゴシエートも意味を成さない事を悟らざるを得なかった。
殺される。
それが強姦より先なのか後なのかの違いだけだ。
しかし後なら勝機、その可能性は低くともある。
女は男たちに向かって唇を歪め、つばを吐き、啖呵をきった。
「舐めるんじゃないよ。こちとら女で生きてんだ!男風情の遊びなんざ餓鬼のおままごとよ。喰い千切ってあげるから覚悟しなっ!」
女の名は百琳。
姉御肌の彼女に泣かされた男は数知れず、その性技に掛かればイクもイカすも自由自在。
少なくともこの場を自身のフィールドに持っていく事など、朝飯前なのである。
=2=
「ふ…ぅん!」
「くっ。うっ!」
「うっ…!」
呼吸が乱れ、時折すすり泣く様な僅かな喘ぎともとれる声が部屋に染みる。
百琳が威勢のいい啖呵をきってから、およそ半刻。
彼女は蹂躙されていた……。
百琳の胸元は、男の手により豪快にはだけ、豊かな双乳がいかにも重たそうにゆさゆさと波打っている。
股間には子供の腕ほどもある男根が突き刺さり、淫靡な音を立て、焦らす様にゆっくりと抽送を繰り返し、それによる意図しない快感が、無理矢理彼女に白い液体を漏れさせる。
泡と共に中からかき出されたそれは、結合した部分にグロテスクな光沢を纏わせ、それを目撃する彼女の頭の中を一層かき乱すのであった。
百琳が、先ほど小さい男どもと心内で罵った輩は全てが全てとも、床に突っ伏し、正体を不明にさせている。
無論彼女の敵では無かった。それどころか時間稼ぎをする目論見が外れる程、男達の脆さは圧巻でさえあった。
皆溺れる様に彼女を求め、果て、体力と気力を無くして次々に気絶していった。
ただ、リーダーらしき男だけは、強敵であると、百琳は最初から確信していた。他の雑魚たちとは格が違う。
故に、逆に楽しめるとも内心余裕していた。
前の男どもとは、散々咥えたはいいが前戯に過ぎず全く満足していないのである。
このリーダー格の男で時間の許す限り愉しみ、そして派手に射精させてやろう。
百琳は、そう考えていた。
凄まじい誤算であった。
相手を弄ぶ筈が、ものの見事に翻弄されているのは百琳の方である。
(こんな筈では…)
百琳は涎と愛液をだらしなく垂れさせながらも、しかし、冷静であった。
本来冷静さは、自身を客観視し、状況を見極め、成功可否を選択する自由を自ら決定出来る有利のスキルである。
だが、この状態では、その冷静さがかえって彼女に不幸を呼ぶことになる。
圧倒的にレベルの違う相手との対決に、彼女は冷静に不利を見極めてしまったのである。それも絶対的回避不可であると。
むしろセックスに自信など無かった方が良かったかも知れない。快楽に溺れ、己を見失う程乱れれば、これまで誰にも許さなかったプライドの砕け散る瞬間を、よりによってこの仇に奪われる事などなかったのだから。
百琳はこれまで、夫以外、どんな男とのどんな交わりでも気をやった事など、ただの一度も無い。
気をやる、と言う事自体は、百戦錬磨の彼女の事、勿論既知である。
しかしセックスにおいて、間違いなく、人生の中で敗北を感じた事は無かった。
もしも自分が負けることなどがあるとすれば、それは「愛」の文字を貫く夫となる者以外、有り得ないのだ。
がつん。
(頭突き……?!)
そう錯覚してしまう程の衝撃が、子宮から脳天まで一気に突き抜け、百琳は我に返らされた。
「へへ…どうしたぃ?女ァ。気をやるにはまだ早ぇえぜ?w」
そう言った男が、強引に彼女の胸を握り締め、充血した乳首に舌を這わせる。
背筋が凍るほど、それは快感であった。
「!!……っっ!!」
思わず、気をやりそうになる百琳。
ギリギリと音が鳴る。
思い切り歯を食いしばり、腹筋を8つに割るほど意識を引き締めなければ、達していた。
「いい面構えだぜ女っ!」
言うが早いか、これまでの焦らしとは打って変わって弾け飛ぶ勢いで腰を叩きつける男。
「うっ!ぐっ!…うっ!」
パンパンと拍手にも似た音が、ぴちゃぴちゃとした水音も交え、部屋に響く。
隠しようもない。間違えようもない。認めざるを得ない、本気通しの交わりの音。
全力で拒んでも、どれだけ気力を振り絞っても、もう遅い。
身体がセックスを求めてしまっているのである。
百琳は辛うじて男にしがみ付くのが精一杯であった。抵抗ではない。
自分から、腰を密着させ、より強く結びつこうとした。あらゆる技巧が無意識に男を持て成した。
百琳は涙していた。
それが果たして悔し涙なのか、甘美な敗北を期待する嬉し涙なのか。
どちらでも良いと思えるほど、彼女にはもう、解らなかった。
終わり。