攻殻機動隊SS 2つの誤算 04
内容:メスゴリラ少佐VSショタチンポです
チャイは、少し焦っていた。
香炉で炊いた媚薬もそうだが、このドラッグも、もっと事前に調べ効能を確認しておくべきだったのだ。
彼女は、仰向けに横たわり、目を見開いたままピクリとも動かない。
全身が汗ばみ、熱を発し、僅かに振動しているが痙攣や震えとは違う。
明らかに彼女本人では、どうにもならない状態だと、口から垂れ落ちるよだれが、そう言っている様にチャイには見えた。
助けを呼ぶ選択は論外だ。
このチャンスは2度と無い。この機を逃しては全てが終わる。
チャイは真剣にそう思っていた。
チャイは子供である。
チャイ自身、そして周囲の人間もまた、そう認識しており、素子も同じ位置付けをしていた。それは区別と言う意味で、間違いではない。
しかし、差別と言う意味では、間違いであった。
頭脳や肉体、経験などの総合的に算出される最終ポテンシャル値では、現時点で全てに劣るチャイは素子から見て、年齢も加味して『子供』である。
故に素子は、見解としてチャイを子供だと結論している。チャイと言う人間は、素子に対し致命的な運命を決定する因子を持ち得ていない。確かである。
ところがチャイは、素子の願望とも呼べる『子供』を遥かに凌駕する一点を持っていた。
セックスである。
セックスにおける素子の経験・情報値は、これもまた電脳力と匹敵するレベルを誇っており、本業とは別に数億を軽く稼ぐ副収入を持つほどである。
この部分が実にピンポイントで作用し、幻想も手伝って、素子にチャイを警戒させない要因となってしまっていた。
勿論、純粋な力比べでチャイは素子に適う筈も無い。実際チャイが余程の天才だったとしても、同等以上の素質を持つ素子を下すには年輪が圧倒的に足りていない現状だからだ。
それでは、相手の素子が一切の勝負をしていなかった場合はどうだろうか。
自分は全身サイボーグかつ戦闘のプロであり、相手は年端も行かない生身の子供、命を掛けた勝負ではなく、子供が疲れるまで遊びの相手をする程度の認識だった場合は。
まして相手が実は戦闘のプロであり、一撃必殺の武器を忍ばせている、そして命を掛けて勝負を挑んでいるとしたらどうだろうか。
その条件に一部の隙も無かった場合、恐らく自分たる油断の塊は、ただでは済むまい。
素子にとって、これは致命の油断である。
ドラックに対しての油断、そしてセックスに対しての油断。
素子という化け物から重大な油断を2つも引き出したチャイは、ラックの値が常人を遥かに凌駕する事は想像に難くない。
にも関わらず死に到らなかった結果を運だと言えば、素子もまた、遥かに常人を凌駕するラックの持ち主なのだろう。
チャイは、素子が自分に対し余裕をもって油断している事を、はっきりと解っていた。
それは大抵の大人が子供をそう認識する事も内包していたが、素子と言う人物が只者でない事を示す、チャイの嗅覚のようなものでもあった。
言わば素子にとってチャイは取るに足らない存在と相関されている図でもあるのだが、それは望む所な上に、その対比に差があればあるほど、結果のギャップに相手は自滅する。
そうしてチャイは、イロになれと何人も年増に口説かれ、女衒にもいくつか誘いを受けた。
少年好きだけに止まらず、目に付いた好みは手に入れ、ほぼ百戦錬磨の働きをチャイは行ってきた。
そして今回はいつもとは違う、生涯最大とも言える勝負。
チャイは素子に最後の先制を施した。
01 02 03 続く⇒05
チャイは、少し焦っていた。
香炉で炊いた媚薬もそうだが、このドラッグも、もっと事前に調べ効能を確認しておくべきだったのだ。
彼女は、仰向けに横たわり、目を見開いたままピクリとも動かない。
全身が汗ばみ、熱を発し、僅かに振動しているが痙攣や震えとは違う。
明らかに彼女本人では、どうにもならない状態だと、口から垂れ落ちるよだれが、そう言っている様にチャイには見えた。
助けを呼ぶ選択は論外だ。
このチャンスは2度と無い。この機を逃しては全てが終わる。
チャイは真剣にそう思っていた。
チャイは子供である。
チャイ自身、そして周囲の人間もまた、そう認識しており、素子も同じ位置付けをしていた。それは区別と言う意味で、間違いではない。
しかし、差別と言う意味では、間違いであった。
頭脳や肉体、経験などの総合的に算出される最終ポテンシャル値では、現時点で全てに劣るチャイは素子から見て、年齢も加味して『子供』である。
故に素子は、見解としてチャイを子供だと結論している。チャイと言う人間は、素子に対し致命的な運命を決定する因子を持ち得ていない。確かである。
ところがチャイは、素子の願望とも呼べる『子供』を遥かに凌駕する一点を持っていた。
セックスである。
セックスにおける素子の経験・情報値は、これもまた電脳力と匹敵するレベルを誇っており、本業とは別に数億を軽く稼ぐ副収入を持つほどである。
この部分が実にピンポイントで作用し、幻想も手伝って、素子にチャイを警戒させない要因となってしまっていた。
勿論、純粋な力比べでチャイは素子に適う筈も無い。実際チャイが余程の天才だったとしても、同等以上の素質を持つ素子を下すには年輪が圧倒的に足りていない現状だからだ。
それでは、相手の素子が一切の勝負をしていなかった場合はどうだろうか。
自分は全身サイボーグかつ戦闘のプロであり、相手は年端も行かない生身の子供、命を掛けた勝負ではなく、子供が疲れるまで遊びの相手をする程度の認識だった場合は。
まして相手が実は戦闘のプロであり、一撃必殺の武器を忍ばせている、そして命を掛けて勝負を挑んでいるとしたらどうだろうか。
その条件に一部の隙も無かった場合、恐らく自分たる油断の塊は、ただでは済むまい。
素子にとって、これは致命の油断である。
ドラックに対しての油断、そしてセックスに対しての油断。
素子という化け物から重大な油断を2つも引き出したチャイは、ラックの値が常人を遥かに凌駕する事は想像に難くない。
にも関わらず死に到らなかった結果を運だと言えば、素子もまた、遥かに常人を凌駕するラックの持ち主なのだろう。
チャイは、素子が自分に対し余裕をもって油断している事を、はっきりと解っていた。
それは大抵の大人が子供をそう認識する事も内包していたが、素子と言う人物が只者でない事を示す、チャイの嗅覚のようなものでもあった。
言わば素子にとってチャイは取るに足らない存在と相関されている図でもあるのだが、それは望む所な上に、その対比に差があればあるほど、結果のギャップに相手は自滅する。
そうしてチャイは、イロになれと何人も年増に口説かれ、女衒にもいくつか誘いを受けた。
少年好きだけに止まらず、目に付いた好みは手に入れ、ほぼ百戦錬磨の働きをチャイは行ってきた。
そして今回はいつもとは違う、生涯最大とも言える勝負。
チャイは素子に最後の先制を施した。
01 02 03 続く⇒05